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米CoinDesk主催のConsensus2024に参加した話

  •    2024年5月31日   2024年5月31日
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2024年5月29日〜31日の3日間、アメリカ・テキサス州オースティンで米メディア・Coindek主催のWeb3サミット「Consensus2024」が行われました。Coindeskは暗号資産業界における主要メディアで、Consensusは業界重要イベントのひとつとみなされています。

本記事のBGMはこちら。


参加したわけ

ConsensusのXRPL Zoneエリアに設置されるOrchestra Financeのブース担当として参加しました。

RippleXはこういったWeb3主要イベントに「XRPL Zone」というエリアを設け、XRP Ledgerの普及活動を行なっているのだそうです。イベントへのブース出展はイベント運営とのコミュニケーション、設営、担当者のスケジュール調整など手間のかかる仕事ですが、エリアとなるとさらに規模が大きくなって非常に大変です。XRPLコミュニティにいると「Rippleは何もしない(怒)」という声をよく聞きますが、とても!何かしてくれてるよ!!

アメリカ入国に向けてESTAやバックアップ書類の準備

アジア圏とヨーロッパ圏はそれなりに旅行してきたものの、アメリカには行ったことがありません。

日本人は短期商用・観光目的でのアメリカ入国の際にビザは不要ですが、ESTAという電子渡航認証システムに事前に申請し承認登録される必要があります。これは米国国土安全保障省が義務付けているものなので、登録されていない場合は即入国拒否です。承認まで時間がかかる場合があるため、一般的に、遅くとも出発72時間前(3日前)にはESTAを申請するよう推奨されています。

この申請→承認/否認というプロセスは人生で何度経験しても嫌なものです。私は夕食前に申請し、次の数日間ははらはらしながら過ごすんだろうなと思いながらご飯を食べていたら承認通知が届きました。

ほっち

はっっっっや

ESTA承認は2年間有効なので、私は2026年まで何度でもアメリカに入国できることになりました。これでようやく安心して航空券やホテルの手配が進められます。予約証明書などはすべて紙に印刷しました。 というのも、アメリカ出張が多い日本人女性から「観光目的を装ってアメリカに入国しようとする日本人女性が、実は有償で性的サービスを提供する意図を持っているとして入国を拒否されるケースが増えている」と聞いていたからです。

10時間以上かけて移動して、アメリカ現地で拒否されたらたまったものではありません。念には念をいれ、証明になりそうなものはすべて紙媒体で携帯することにしました。

ほっち、生まれて初めてアメリカ大陸に上陸

エストニア・タリン空港発のいいフライトがなかったので、今回はフィンランド・ヘルシンキ空港からアメリカ・テキサス州第3の都市ダラスに飛び、そこでアメリカ国内線に乗り換えてイベント開催地であるテキサス州州都オースティンに向かいました。

入国審査はダラス空港で行われます。 私の前に並んだ人たちは各々5分くらい質疑応答をしていて、アメリカの入国審査は厳しめだと感じました。ヨーロッパ、シェンゲンエリア内だとそもそも国を跨いでも入国審査がないので、異国で久々の経験です。

いざ私の番になり、

入国審査官「お、アメリカ初めて?」
ほっち「初めてッス」
入国審査官「Welcome to US!指紋だけ取らせてね。Have fun!!」

この間たぶん30秒くらい。

ほっち

はっっっっや(2回目)

滞在期間とホテル、滞在理由、イベントと職業の関係など、到着ゲートから入国審査まで脳内でずっと練習していた受け答えの出番はありませんでした。紙に印刷した各種証明も日の目を見ることなく。他の人とは一体何を長々と話していたんだ?

ダラス空港では、入国後に一旦預け入れ荷物を受け取って、国内線乗り換え時にもう一度預け入れる必要がありました。乗り換えがあっても航空会社が最終目的地まで荷物をケアしてくれる「バゲッジスルー」制でない点には注意ですが、導線は非常に明確だったので迷うことはありません。これはアメリカの独自セキュリティルールによるものであって、帰りの便(アメリカ発、アメリカ国内乗り継ぎでヨーロッパへ)ではバゲッジスルーであると教えてもらいました。

ちなみにセキュリティチェックエリアに「銃の持ち込みはダメです!部品にしてもダメです!!」と書かれたポスターがあって面白かったです。

預け入れ荷物を手放して身軽になったところで、アメリカに来たんだなぁという実感がやっと湧いてきました。

ほっち

コロンブスもこんな気分だったのだろうか?

ついでにお腹が空いてきたので、本場のマクドナルドを食べました。

Mサイズのコーラは日本のLサイズくらいありました。ただコーラを飲んでいる人は少なく、他のお客さんたちは胃もたれ必至であろう量のクリームが乗ったフラペチーノのようなものを飲んでいました。

空港内のなんてことのない普通のマクドナルドで、強烈な存在感を放っていたのは米ドラマでよく見る保安官ユニフォームの人です。

ドラマじゃなくても本当にこういう格好の人がいるんだ!!とめちゃくちゃ感動した私は、その後アメリカ出身の人と話すたびにこの話をしました。テキサス州はアメリカ国内でも屈指の保守派で、典型的なアメリカ文化が根強い地域らしく、私は非常にアメリカ的なシーンを目撃したようでした。

テキサス州のアメリカっぽさ

  • 日本でもお馴染み、カウボーイ文化と西部開拓精神
  • カントリーミュージックの中心地のひとつ。ライブミュージックも盛ん。
  • テキサスの食文化といえばバーベキューとテクス・メクス料理(テキサスとメキシコの融合料理)
  • アメリカンフットボールが超人気!
  • テキサスはかつて独立国家であったことから、独立心は今でも州のアイデンティティの一部

オースティン行きフライト内ではほぼ寝ていたので何も覚えていません。(ちなみに私の特技は離陸までの間に寝落ちすることです)
オースティン空港はとてもライブミュージック推しでした。

RippleXのCookieさんから「オースティンは大阪っぽい」と聞いてなぜだろうと思っていたのですが、着いてすぐ知らない女性に話しかけられたことで理解しました。

突然の知らない女性「素敵なネイルねぇ〜」

ほっち

この距離感、間違いなく大阪バイブス・・・!

オースティン空港から中心部へはバスも出ていますが、Uber移動のほうが便利かつ一般的と予習していたのでUberを呼びました。「アメリカの都市部では15分歩く距離ならUberを呼ぶ」そうで、これは公共交通機関の発達したヨーロッパの都市部とは大きく異なる点です。アメリカが超車社会なこともあって呼べばすぐ来てくれるので、滞在中はほぼUberで移動しました。

空港からオースティン中心部までは平野が広がっており道路も非常に広いのですが、川を渡るといきなり高層ビル群が出現します。朝の写真で、川の左側は平野、川の右側は高層ビル群であることが見て取れるかと。

ホテルにチェックインし、荷解きをして一息ついたところでふと気づきます。

空港の入国審査官も、空港で話しかけてきた女性も、Uberの運転手も、ホテルのフロントも・・・・

ほっち

英語が通じる(ていうかネイティブ)!!

私はふだん非英語圏に住んでおり、英語ネイティブ圏に行ったことはないのでこれは一種のAHA体験でした。 英語で話しかけたらエストニア語で返ってくることも、意を決してエストニア語で話しかけたらロシア語で返ってくることもなく、シンプルに英語・・・✨

これをRippleの人に言ったら大笑いされました。そりゃ「アメリカってすごい!英語が通じるもん!」なんて言われたら笑うよね。
ただ南部訛りが非常に強い人とはうまく意思疎通できないこともありましたし、英語をほとんど話せないラテンアメリカ出身のUber運転手にあたることもありました。

初めてのXRPL Zone

初日は早めに会場入りし、RippleXチームや他のブース担当者など、この3日間共に戦う仲間たちとキャッチアップしました。XRPL Zoneは非常に広いエリアで、先述の通りコーディネートは大変だったろうと思うと頭が上がりません。

素晴らしいXRP Ledgerエリアを写真でご覧ください✨
最後の写真はXRPLに関係なく、おまけのオースティンPepeです。

XRPL Zoneでは「XRPLパスポート」が用意されていました。来場者はスタンプラリー感覚で各ブースを回り、3つ以上スタンプを集めるとXRPLグッズがもらえるという楽しい仕組みです。スタンプ押印はちょっとコツがいるので、最初の何冊かはミスりました。

First Ledgerはxrpcafeチームの運営するAMMプロジェクトで、テレグラム上で操作できる点が特徴です。

3日間を通して話した人たち

初日はXRPL AMMを知らない人が多く見えました。投資先を探すVC、特にこれまで暗号資産領域に投資してこなかった会社の人が多かったです。暗号資産、Web3、DeFiといった言葉を知らない人にXRPL AMMを説明するのは非常に骨が折れ、次回への私の宿題となりました。

2日目の来場者層はガラリと変わり、on/off-rampsの営業マン、DEX開発者を求めるヘッドハンター、XRPL AMM経験者などなど暗号資産業界に詳しい面々が見えました。中でも複数のXRPL AMMを試した結果Orchestraに落ち着いた、と詳細に評価してくれた実際のユーザーの話は勉強になりました。今回はCrossmarkやXamanといったウォレットプロジェクトが参加していなかったので、私はそれらに関する質疑応答も受け付けつつ、また他のAMMプロジェクトにも触れつつ、最終的にはOrchestraのPRというよりXRPLのPRをしていました。

Ripple CEOのBrad Garlinghouse氏は突然、セキュリティもなくごく自然にXRPL Zoneにいらっしゃいました。常ににこにこしながら私を含むXRPLプロジェクトチームメンバと挨拶・握手して回ってくださり、Ripple社員メンバとも非常に気さくに話されていました。「いい人だな〜」と安直に受け止めかけました・・・が、Ripple CEOといえば業界の注目のなか法廷で戦い、向かい風にめげず数えきれないプレスをこなしてきた方です。ただの良い人であるはずがありません。こうしたダントツに好感度の高いプレゼンスもすべて計算ずくの超頭脳派ビジネスマンのはず・・・さすがです。

ほっち

でも本当にただただ人が良い説はある。

最終日の来場者層は初日と2日目のミックスで、人数はかなり少なめでした。これはイベントあるあるで、最終日である3日目にはもう帰る人が多いのだそうです。

あとがき

私は初めて来場者ではなく出展側としてイベントに参加し、右も左も分からない状態だったため、RippleXチーム、xrp.cafeチーム、zerpmonチームに何かと助けてもらいました。この場を借りてお礼を申し上げ・・・と言いたいところですが、日本語ブログを読んでいるとは思えないので今後直接恩返ししようと思います。

ConsensusではあまりBtoCプロジェクトは見かけず、BtoBの色が強いイベントだと感じました。
出展しているブースも、チェーンそのものやセキュリティ、on/off-ramps、企業向けソリューションなどでしたし、来場者も個人のインベスターは稀で、多くが企業かプロジェクトチームでした。

Consensus公式によれば、100カ国を超える国から15000人以上が来場し、来場企業の総数は6800を超えるそうです。 次回のConsensusは2025年2月18日〜20日にかけて香港で行われるそうなので、ビジネスとしてWeb3に携わる方はぜひ日本からの参加をご検討ください。

蛇足:会場周辺で見かけたヘンなものたち

  • Dogeラッピングされたマクラーレン(Dogeclaren):オーナーは女性だそう。
  • ゴミ箱をチェックするリス:野生のリスってここまで人馴れするんだ・・・と思い激写。

蛇足:初日で満たされた食い意地

1日目の夕食には親切なRippleの方がオースティンで一番人気のBBQレストランに連れて行ってくださいました。 思えば室内での焼肉や河原BBQは経験があるものの、テキサス式の「大きな肉の塊をストーブに入れて長時間スモークする」タイプのBBQは初めてです。私は定番のブリスケットを注文しました。柔らかいのはもちろんのこと、スモークのフレーバーが最高でした。ただアメリカ人の皆さんも残すくらいの量がサーブされるので、ちょっともうあと数日お肉は見ないでいいかな・・・という気分になりました。ご覧の通り、サイド料理もサイドの量じゃありません。

蛇足:アメリカの歩行者信号

日本の歩行者信号では、青信号:歩いている人の絵、赤信号:止まっている人の絵ですね。人の形の違いはあれ、ヨーロッパの歩行者信号も基本的には同じです。

ところがアメリカの歩行者信号は「手のひら」なのです。
手のひらが点滅していたり数字のカウントダウンが出ている間は、新たに渡り始めてはいけません。既に渡り始めている場合は、カウントダウンが終了する前に渡り終える必要があります。この手のひらマークはおそらく「ストップ!!」という意味なのですが、私にはどうも「やぁ、こんにちは」的なシンボルに見えてしまい、最初は直感的に意味を理解できませんでした。さいわい説明板を発見して意味を把握しました。こういった予期しない学びがあるのが旅の醍醐味ですね。

蛇足:恒例の戦利品

Consensusイベント中、ときどきxrpcafeの人にブースの管理をお願いして、Web3イベント恒例のグッズ集めに奔走しました。

そして、アメリカ!NFT!といえば、イーサリアムのNFT Pudgy Penguinsです。

NFTの冬と言われる間もずっと地道にコンテンツを制作し、IP開発に力を入れてきたPudgy Penguinsが2023年にアメリカ全土のWalmartでグッズを展開する運びとなったことは記憶に新しいところ。これはチェーンの垣根を超えてNFT界隈が誇るべき実績だと思っています。そんなわけで、私も記念にWalmartでPudgy Penguinsのグッズを購入しました❤️